見るからに古く歴史のありそうな木造駅舎、これが恵比島(えびしま)駅の駅舎です。
ー北海道・JR留萌本線ー(Hokkaido・JR Rumoi Main Line)
古く歴史のありそうな、と書きましたが、実はこの駅舎が造られたのは意外に新しいんです。
駅の開業は明治43年11月。かつては炭鉱鉄道も分岐し栄えたこの地ですが、石炭産業の衰退により炭鉱が閉山してからはたいへん静かな集落になってしまいました。駅も古くからあった立派な木造駅舎が昭和61年に解体され、使わなくなった貨車を待合室代わりに置いただけのさびしい駅になってしまいました。
そんなこの駅が脚光を浴びたのが平成11年。NHKの連続テレビ小説「すずらん」のロケ地として、この恵比島駅が選ばれたのです。
そうです。このレトロな駅舎は、撮影用のロケセットとして造られたのです。ドラマの中では「明日萌(あしもい)駅」として使われたので、駅舎の入口にも「明日萌驛」と表示されているんです。
ドラマは北海道留萌地方にある炭鉱町を舞台にしたもので、時代設定は昭和初期。駅舎だけではなく駅前にもドラマに合わせたレトロな街並が再現され、多くの観光客が訪れるようになりました。
駅舎内には「すずらん」のロケの様子などの資料が展示され、貨車になっていた待合室も古めかしい木材で覆われ、レトロな風景に溶け込むよう配慮されました。
ブームが去ったいまでも、駅舎は残され、時折訪れる観光客を楽しませています。
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