稲荷駅(いなり)の開業は明治12年8月。日本に初めて鉄道が開業したのが明治5年ですから、たいへん古い歴史をもった駅なんです。
明治22年に新橋-神戸駅間が全通し、大正10年に馬場(現・膳所駅)-京都駅間が現在線に切り替えられるまで、この駅は東海道本線の駅でした。
ー京都府・JR奈良線ー(Kyoto.・JR Nara Line)
駅舎も昭和10年に建築されたという歴史のあるものです。
この駅舎、小さいながらも和風で柱が朱色に塗られていますが、このデザインにはどういう意味があるのでしょう?
これは、伏見稲荷大社の最寄り駅だということをアピールしているのです。「稲荷」という駅名もそこから付けられました。
伏見稲荷大社は駅からすぐのところにあります。全国各地に約3万2千社あるといわれる「お稲荷さん」の総本宮で、和銅4年にはじまる1300年以上の歴史をもち、五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、諸願成就にご利益があり、全国の人々に信仰されています。
さて、この駅にはもうひとつ名物があります。それはランプ小屋。小さなレンガ造りの小屋で、主に明治時代に造られ、鉄道に関わる業務のための照明用ランプや燃料等を収納していました。
レンガ造りなのは危険物を取り扱うことから頑丈なものとする必要があったため。
この駅のランプ小屋はなんと明治12年に造られたという国鉄最古のものなんです。準鉄道記念物に指定されているとても貴重なものなので、この駅に来たらぜひ見ておいてください。
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