塔寺(とうでら)駅は昭和3年11月開業。現在は無人駅です。
ー福島県・JR只見線ー(Fukushima Pref・JR Tadami Line)
駅前は木々に囲まれているうえに民家も見えず、かなりの山奥という雰囲気ですが、さにあらず。実は林の向こうわずか50メートルほど先には国道があるんです。また、300メートルも進むと、まとまった住宅や商店があり、駅の雰囲気とのギャップに驚かされます。
駅のそばの国道は、会津若松と越後の新発田を結んだ越後街道です。新発田藩と村上藩が参勤交代に利用していたほか、越後から海産物、会津から米などが運ばれていました。
本来の越後街道は喜多方地区を経由していたのですが、慶長16(1611)年に起きた会津大地震で山崩れなどが起き通れなくなったため、急遽、気多宮・塔寺・坂下を通る街道が整備されたのです。塔寺には宿場が置かれ発展しましたが、現在はその面影はほとんど残っていないとのことです。
さて駅ですが、ホームは高い盛土上にあり、地上から階段で上るようになっています。その階段は全体が屋根で覆われていますが、こういう駅前に屋根付きの階段があるという駅は珍しいんです。なぜ屋根で覆われているかといえば、お察しの方もいると思いますが、この地方はたいへんな豪雪地帯であるため、階段が雪で埋もれないようにしているというわけです。
周囲の喧騒から隔絶されたように静かなこの駅で、トンネルの階段に入ると、洞窟探検をしているようでワクワクしてしまいますね。
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