白壁になまこ壁の、まるで蔵のような、これが恵良(えら)駅の駅舎です。
ー大分県・JR久大本線ー(Oita Pref・JR Kyudai Main Line)
この駅舎は平成27年3月に改築された新しいもの。建て替えられた理由は老朽化や耐震化ではありません。なんと、先代の駅舎が平成26年1月に火災に遭い焼失してしまったからという悲しい理由なんです。
駅舎の焼失後、駅のある九重町が駅舎を新築することを決定。どうせなら特徴ある駅舎にして、地域振興につなげたいという思いから、玖珠郡の産業や生活の発展に貢献した麻生観八翁と麻生益良翁の2人の功績を紹介する「先哲史料館」を併設したこの駅舎が誕生したのです。2人の先人がいずれも酒造業を営んでいたことから、酒蔵風の外観になっているというわけなんです。
駅舎の2階の軒には、新酒の飲みごろを知るため酒蔵が取り付ける杉玉もあるんですよ。
さて、駅舎の中に入ってみると、内装は県産のスギやヒノキを多用し、木のぬくもりに溢れています。
そして「先哲史料館」には前述の2人の功績の紹介のほか、昔の酒造りに使用していた器具や、鉄道開業当時の新聞記事など、数々の展示史料を見ていると時の経つのを忘れてしまいます。
突然の火災により駅舎が失われたにもかかわらず、町の努力により見事に復活を遂げたこの駅に敬意を表したいですね。
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