重要路線が分岐する駅なのに…シンプルな無人駅 (笑)

土讃線と徳島線。国鉄時代はそれぞれ土讃本線・徳島本線と呼ばれた重要路線同士が接続する駅、それが佃(つくだ)駅です。

ー徳島県・JR土讃線ー(Tokushima Pref.・Dosan Line)

大正3年3月にすでに開通していた徳島本線に、土讃本線が延伸して乗り入れたのが昭和4年4月。その分岐点に置かれた佃信号場が佃駅のルーツです。
佃信号場は、昭和25年1月に旅客扱いを開始しましたが、ホームが置かれたのは土讃本線側のみ。つまり、この時点では分岐駅でありながら、乗り換えはできなかったんです。

そこで、構内を改良し島式ホームに変更。昭和37年7月に徳島本線の旅客扱いも開始され、晴れて両線の分岐駅になったのです。
さて、最初に書いたように、この駅は2つの重要路線の分岐駅です。ということは、よっぽど立派な駅舎と構内配線を持った駅だろうと思ってしまうかも知れません。

しかし実際は、昭和25年築の小さな無人駅舎に、広くない島式ホームが1本のみ。分岐部分の線路配置もいたってシンプルで、初めて来た人は拍子抜けしてしまいますね。

でも、駅舎から線路を挟んだ向かいにある国道からは駅全体を見下ろすことができるんです。土讃線・徳島線の両方とも特急列車が走っているので、普通列車と合わせてわりと頻繁に列車がやってくる、鉄道ファンにはたまらないビューポイントになっているんですよ。