宇野(うの)駅といえば、かつて四国高松への連絡駅として大勢の乗り換え客でにぎわった駅です。
ー岡山県・JR宇野線ー(Okayama Pref.・JR Uno Line)
乗船施設、航送施設など大がかりな設備をもち、広大なヤードには貨車がひしめき、東京から直通列車も運転されるなど、隆盛を極めました。
また、鉄道だけでなく、駅の周辺には高松や小豆島を結ぶフェリー会社がいくつも存在し、そのどれもが活況を呈していました。
そんな宇野駅に激震が走ったのが昭和63年4月。そう、瀬戸大橋が開通したんです。JRの連絡船は廃止になり、大きかった駅舎も平成6年12月に現在の小さなものに建て替えられてしまいました。
かつて一日中ひっきりなしに運行していた周辺のフェリー会社も利用客が減り続け、減便につぐ減便を余儀なくされ、廃止される会社も出てくるほど衰退してしまったのです。
しかし、暗い話ばかりではありません。
駅前からフェリーで20分で行くことができる直島は、数々の芸術作品の集まる「アートの島」として脚光を浴び、訪れる観光客がとても増えているんです。おかげで、宇野駅の利用客も増え、平成28年3月に「瀬戸内国際芸術祭2016」開催に関連して駅舎がアート化されるなど、賑わいを取り戻しているんですよ。
もちろん、便数が減ったとはいえ、高松へのフェリーも健在です。たまには瀬戸大橋を使わず、瀬戸内のおだやかな多島美を楽しみながら、のんびりと宇野駅から四国に向かうのもオススメですよ。