あの伝説の姫は月の使者ではなかった?!

ー静岡県・岳南鉄道ー(Shizuoka Pref.・Gakunan Railway)

列車から岳南富士岡(がくなんふじおか)駅のホームに降り立つと、少し離れたところに駅舎が見えます。四角い形のこの駅舎、一見、なんの変哲もない普通の駅舎に見えます。

022fujioka086

ところが、改札を通って、表から眺めてみてびっくり! 壁いっぱいにカラフルな絵が描かれているのです。
いったいこの絵はなに?
その答えは「かぐや姫」。駅の周辺一帯にはかぐや姫伝説があり、竹取物語の発祥の地だといわれているのです。
竹から産まれ、おじいさんに育てられたかぐや姫が成長して月に帰っていく、というのが一般的な物語のあらすじですが、この辺りでは、かぐや姫が去った先は月ではなく富士山だったと伝えられています。

022fujioka091

かぐや姫がおじいさんとの別れ際に不死の薬を渡しますが、この「不死」が「富士山」という名の由来になったという説もあります。富士山のふもとにあるこの地域らしい伝説ですね。
かぐや姫伝説のひとつとして、駅から北西に約1.5キロのところに「竹採公園」があります。竹林に囲まれた歩道を散策できる公園で、かぐや姫はここで生まれたともいわれています。

022fujioka097

ほかにも周辺には、神来の庭、竹採塚、神授の竹、国司の庭、水琴窟など、かぐや姫に因んだ多くの見どころがあります。富士山に見守られているこの地でかぐや姫に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。