平成17年に開催された岡山国体。その競技会場のひとつだった岡山ドームの最寄り駅として、同年10月に開業したのがこの北長瀬(きたながせ)駅です。
ー岡山県・JR山陽本線ー(Okayama Pref.・JR Sanyo Main Line)
大階段と大屋根を備えた橋上駅舎で、岡山近郊の駅としてはかなり都会的なデザインですね。
開業当初は駅舎部分しかありませんでしたが、その後、駅舎に隣接して3階建の駐輪場が造られ、さらにその隣に岡山市中心部から移転してきた岡山市民病院が開院して駅舎と通路で直結、市民にとってたいへん利便性の高い駅になりました。
ところで、この駅ができる前、ここは線路がひしめく操車場でした。そして、駅ができるまでには紆余曲折があったんです。
操車場の規模縮小により余った土地の再開発として、昭和64年に岡山市が市制施行100周年を迎えるのを記念して、デンマークのチボリ公園を誘致する構想を発表したんです。
ところが、数々の問題が浮上し、平成3年にチボリ公園の計画は白紙になってしまいました。その後、計画を見直して平成15年に岡山ドームができたわけです。もし、チボリ公園が建設されていれば、この駅は「チボリ駅」になっていたんですよ。
操車場だった痕跡はもうほとんどありませんが、駅前の「岡山操車場跡之碑」がそのことを示しています。また、駅の2階からは岡山貨物ターミナルが見下ろせるので、鉄道ファンにとって飽きることはありませんよ。