「河曲」と書いて「かわの」と読む、かなりの難読駅名です。
ー三重県・JR関西本線ー(Mie Pref・JR Kansai Main Line)
立派な駅前ロータリーがありますが、対向式のホームがあるだけで駅舎はありません。
いまはこんな小さな目立たない駅ですが、なんと、かつては「鈴鹿」という駅名で、鈴鹿市の代表駅だったんですよ。
この駅が「鈴鹿駅」として旅客扱いを開始したのは昭和24年3月。市役所のそばには、近鉄の伊勢神戸駅(昭和38年に「鈴鹿市駅」に改称)がありましたが、当時、市の代表駅は国鉄優先という風潮があったので、この国鉄・鈴鹿駅が鈴鹿市の代表駅になったというわけです。
ところが、市役所までは約3キロも離れていたので利用客は多くはありませんでした。立派な木造駅舎もあったのですが、利用客の減少により昭和45年に無人化されてしまいました。
そんな中、国鉄伊勢線が建設され、市役所から500メートルのところに新駅が設置されることになったのです。
「鈴鹿駅」の名は新駅に譲ることになり、昭和48年7月に現在の駅名である「河曲駅」に改称されたのです。国鉄伊勢線・鈴鹿駅は昭和48年9月に開業、市の代表駅もそちらに移ったのです。
ちなみに、現在の代表駅は近鉄・鈴鹿市駅です。市役所まではわずか300メートルほどです。
市の代表駅から無人のローカル駅になってしまった河曲駅は、昭和61年に駅舎を解体、代わりに車掌車を改造した待合所が設置されました。当時としてはこれも珍しく話題になったりもしましたが、それも平成20年ごろに撤去されてしまいました。
こんなホームだけの駅にも、かつては栄光の時代があったということに、思いを馳せてみるのもいいですね。
関連記事
■恐るべき降格したその他の駅
関連サイトの最新記事