九州本土の南に位置し、かつお節生産量日本一で知られる枕崎市の代表駅、それが枕崎(まくらざき)駅です。
ー鹿児島県・JR指宿枕崎線ー(Kagoshima Pref・JR Ibusuki Makurazaki Line)
駅舎は、こげ茶色を基調としたレトロ風で、平成25年4月に完成しました。駅前広場には「かつお節行商」の像と「本土最南端の始発・終着駅」の碑が設置されています。また、駅舎内は木調の落ち着いた雰囲気で、この地にまつわる神話に出てくる「山幸彦」が見守っているなど、枕崎ならではのアイデアがあふれています。
グッドデザイン賞も受賞しているオシャレなデザインですが、実はこの駅舎には地元の深い想いが込められているんです。
この駅は、昭和6年に南薩鉄道(伊集院−枕崎間)の駅として開業、駅舎も立派なものが建てられました。その後、昭和38年には国鉄・指宿枕崎線が乗り入れ、両線の接続駅となりました。
しかし、昭和59年に鹿児島交通枕崎線(旧南薩鉄道)が廃止され、国鉄のみの駅になってしまったんです。
そして平成18年、周辺が再開発されることになり、駅のあった土地が民間に売却されてしまったのです。開業時からあった駅舎は解体され、跡地にはスーパーが建設されました。こうして、枕崎駅は市の代表駅でありながら駅舎のないホームのみの貧弱な駅になってしまったんです。こちらが2008年の駅舎がない時代の写真です。殺風景ですね〜(笑)
ところが、そんな駅を見た市民がだまっているはずがありません。駅舎の復活のために、市や商工観光団体などと協力して寄付金を集めるなどの行動を起こしたんです。その結果、約2300万円もの資金が集まり、この新駅舎を建てることができたというわけなんです。
市民の想いが詰まったこの駅舎、これからも大事にして行きたいですね。
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