有家(うげ)駅は片面ホームの上に小さな待合室があるだけの無人駅です。
ー岩手県・JR八戸線ー(Iwate Pref・JR Hachinohe Line)
開業は昭和36年、しかも最初から無人駅なので、深い歴史があるわけでもありません。「有家」という駅名とは裏腹に、周辺には民家が少なく、国道からも離れていてまるで秘境駅のようです。
そんな駅なんですが、実は多くの旅人を惹きつける大きな魅力を持っているんです。
その魅力とは、列車からホームに降り立つと分かります。
目の前に広がるのはなんと見渡す限りの太平洋! これだけ静かな場所で太平洋の眺めを独り占めできる駅はそうそうありません。
そして、ホームの待合室。やけにきれいですが、これは平成23年12月に建て替えられたものなんです。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災。海に近いこの駅も当然ながら津波の被害を受け、線路やホームが損壊してしまったのです。
その復旧時に待合室も建て替えられたというわけです。ホームにある津波から避難するためのあるはしごもそのときに設置されました。
それにしても、ホームと太平洋はかなり高低差があるように思えますが、それでも津波が到達したなんて、その恐ろしさが実感できますね。
列車本数は少なく、2時間以上列車が来ないことも。ですが、静かなホームで耳を澄ませると波の音だけが聞こえてくる、そんな”贅沢”な気分が味わえる駅なんですよ!
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