あれ?あそこにも小さいホームがあるぞ?なんで??

九品仏(くほんぶつ)駅は、東京都世田谷区の住宅密集地にある駅です。

ー東京都・東急電鉄ー(Tokyo・Tokyu Electric Railway)

変わった読みの駅名ですが、これは駅の北約200メートルのところにある「九品仏浄真寺」から取られたものです。

駅舎は昭和35年に改築されたもので、ホームの東の端にあります。そしてその駅舎は上下線の線路に挟まれたところに建っているんです。
変わった駅名、変わった立地の駅舎。これだけで珍駅と呼んでもよさそうですが、実はこの駅のいちばん変わっているところはほかにあるんです。

ホームの東端には駅舎がありますが、反対の西端は踏切に面しています。よく見るとその踏切の向こうに、短いホームがあるんです。どこにも出口のない不思議なホーム、いったいなんのためにあるんでしょう?

九品仏駅のある東急大井町線は、5両編成の列車が走っているのですが、九品仏駅のホームは4両分の長さしかありません。大井町方面の列車は5両目の車両がホームから外れてしまうのです。ですから5両目の車両はドアが開きません。これを「ドアカット」といいます。

ところが、車掌さんはホームの安全確認を行わなければなりません。そこで、この「不思議なホーム」に降り立って安全確認を行っているというわけです。
駅の改良や高架化などでドアカットをする駅は年々減ってきています。九品仏駅のドアカットも現在は東急電鉄ではここだけ。「不思議なホーム」のあるこの珍しい光景も将来は見られなくなってしまうかも知れません。