現在の山陰本線の嵯峨嵐山駅ー馬堀駅間は、平成元年3月に複線電化によってトンネルを通る直線的な新線に切り替えられました。旧線は保津川に沿ったカーブの多い鉄道にとっての難所だったのですが、車窓が風光明媚なことで全国的に知られていました。
ー京都府・嵯峨野観光鉄道ー(Kyoto・Sagano Scenic Railway)
新線切り換え後、旧線を廃線にするのは惜しいとの声が多くあり、再整備を行ない平成3年4月に観光路線として復活したのが嵯峨野観光鉄道です。景観を存分に楽しめるようにと窓のないトロッコ列車を走らせて、利用客に好評なんですよ。
そんな嵯峨野観光鉄道の途中駅が、トロッコ保津峡(とろっこほづきょう)駅です。新線が開業する前は「保津峡」という駅でした。
嵯峨野観光鉄道になって駅舎は建て替えられましたが、崖にへばりつくような駅の立地はそのままなんです。
ホームは片面ですが広いです。旧線時代は対向式2面2線でしたが、1線を廃止し、そのスペースにホームを拡幅したというわけです。
その広いホームにはたくさんのたぬきの置物が! これは「他を抜く」という語呂合わせで、商売繁盛にご利益があると昔から店先に置かれてきたことにあやかっているそうです。
ホームの眼下には保津川が流れ、駅を出るには吊り橋を渡らなければなりません。高所恐怖症の人はちょっと足がすくむかも。周辺には民家も商店もありませんが、静かに景観を楽しむにはうってつけです。
JR保津峡駅へは山道を15分ほど歩けば行くことができます。ちょっとしたハイキング気分が味わえますよ。
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