国道から外れた静かな集落にポツンとたたずむ小さくてかわいい木造駅舎。これが止別(やむべつ)駅です。
ー北海道・JR釧網本線ー(Hokkaido・JR Semmo Main Line)
駅名はアイヌ語で「冷たい川」を意味する「ヤム・ペツ」が由来で、この「冷たい川」とは駅の西側を流れる「止別(やんべつ)川」のことです。
駅の背後約400メートルのところにはオホーツク海が広がっています。林に遮られて駅からは見ることはできませんが、歩いて行けばその雄大な景色を独り占めできますよ。
さて、そんな止別駅ですが、駅舎は古そうな見た目のとおり、大正14年に開業した当時のものなんです。でもよく見ると、その壁には駅名のほかに「ラーメンきっさ えきばしゃ」という看板が……。
そうなんです。この駅舎、駅事務室が改装され、喫茶店が営業しているんです。
国鉄末期に無人化されてしまったこの駅を、駅前の商店のご主人が駅が寂れるのを心配して駅舎を借り受け、昭和62年に開店したのがこの喫茶店なんです。
コーヒーがあるのははもちろんですが、「ラーメンきっさ」という看板のとおり、メニューはラーメンがメイン。なかでも「塩味ツーラーメン」が人気です。具が白髪ネギと刻みチャーシューという2つだから「ツーラーメン」だそうで、白髪ネギが山のように盛られた見た目はインパクト抜群です。
ほかにも北海道ならではの具材を使った数種類のラーメンがあってお好みで選ぶことができますよ。
今では全国からお客が訪れるという人気店です。ぜひ鉄道で来てくださいね。
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