川崎市は人口約151万人で、国内で第7位の人口を誇る政令指定都市。その川崎市の中心の駅が川崎(かわさき)駅です。
ー神奈川県・JR東海道本線ー(Kanagawa Pref・JR Tokaido Main Line)
東西にデパート、地下街もあり、近くに京浜急行の京急川崎駅もあるという全国でも屈指の大きな駅です。
そんな川崎駅の駅前に「石敢當」と書かれた大きなモニュメントが置かれています。いったいこれは何なのでしょうか?
「石敢當」は「いしがんとう」(「せきかんとう」とも)と読み、鹿児島県にもありますが、とくに沖縄県で多く見られます。大きさはさまざまですが、普通は高さ50センチほどです。

沖縄では「マジムン(魔物)」はまっすぐにしか進むことができないとされ、丁字路や三叉路などの突き当たりに「石敢當」を置いておくとマジムンがぶつかって砕け散るといわれているんです。つまり「石敢當」には魔除けの意味があるんです。
それにしても、そんな「石敢當」がなぜ川崎駅にあるのでしょう?
昭和34年に発生した宮古島台風により、沖縄は大きな被害を受けてしまいました。それに対し川崎市が市をあげて救援活動を行ない義援金を集め、沖縄に送ったのです。
そのお礼として沖縄から4つの「石敢當」が川崎市に送られましたが、このときは大きさが小さくて設置する場所がなく、倉庫にしまわれてしまいました。
昭和41年9月、再び沖縄が台風に襲われたとき、やはり川崎市は義援金を送りました。沖縄は、前回のことを聞いていたため、こんどは大人の背丈ほどもある大きな「石敢當」を送ったのです。
こうして、駅前に巨大な「石敢當」が設置されたというわけなんです。
この「石敢當」は、川崎市と沖縄との友好の証しであり、川崎市民を厄災から守りたいという願いが込められているんですね。
川崎駅改札前の風景です。広々としていますが人も多いですね。
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