高台にお引越しした駅!旧駅も残っています!

野蒜(のびる)駅は、昭和3年4月に宮城電気鉄道の駅として開業。以来、海水浴や奥松島観光の玄関口として観光客で賑わってきました。

ー宮城県・JR仙石線ー(Miyagi Pref・JR Senseki Line)

ところが、平成23年3月に東日本大震災が発生。津波により駅が被災し営業休止に。復旧のため線路を内陸に移設する工事が行われ、平成27年5月30日に営業が再開されたのが現在の駅舎です。駅前では新しい町づくりが行われています。

駅が移転した当初は周りにはなにもなく、旧駅付近に行くにも迂回しなければならず時間がかかっていましたが、平成28年11月に駅前に歩行者用の連絡地下通路が完成し、旧駅地区との徒歩連絡が容易になりました。
この地下通路、やわらかな照明でなかなか幻想的。トンネルを抜けたところはベンチのある広場になっていて、公衆トイレもあります。

さて、被災した旧駅舎ですが、津波が流入したものの流失は免れたんです。しかし周辺の被害は甚大で商店もほとんど失われてしまいました。
そこで、旧駅舎を改装する工事が行われ平成26年5月に1階の半分がコンビニとして復活したのです。これは地元住民にとってたいへん明るいニュースでした。

さらに、1階の残りの半分と2階は平成28年10月に「震災復興伝承館」としてオープン。

観光案内所や津波に呑まれた券売機、地震の起きた時間で止まった時計、震災アーカイブ映像の上映など、数々の震災の記録を展示しています。

被災した旧ホームも保存整備され、津波の破壊力を直に感じることができるという貴重な震災遺構となっています。

旧駅舎はこちらです。現在の駅から旧駅までは約500メートル。野蒜駅に来たなら少し足をのばしてこの震災遺構を見学することをおススメします。