ー静岡県・JR東海道本線ー(Shizuoka Pref.・Central Japan Railway)
昭和9年、熱海−函南間に丹那トンネルが完成。長さ7804メートルのこのトンネルは、当時、昭和6年完成の清水トンネル(長さ9702メートル)に次いで国内で第2位の長さを誇っていました。
この丹那トンネルの完成により熱海−沼津間に新しく線路が敷かれ、それまで箱根山を北に迂回していた東海道本線が新線経由に変更されました。そして、昭和9年12月にその新線上に現在の三島(みしま)駅が誕生したのです。
そのときに新築された駅舎は、富士山をイメージした優雅な屋根の曲線が美しい、全国に誇れる名駅舎で、長く旅行者に親しまれてきました。
ところが、そんな駅舎に危機が訪れたのです。
平成7年1月に発生した阪神淡路大震災以降、世間一般に建築物の耐震強化が叫ばれるようになり、築後70年以上が経過したこの三島駅舎も耐震化のため改築されることになったのです。
そして、解体を惜しむ声をよそに、平成23年11月に工事が開始され、約2年後の平成25年9月に現在の駅舎が完成したのです。
心配された新駅舎のデザインは旧駅舎を踏襲して、やはり富士山をイメージしたものになりました。歴史がありみんなに愛されていた旧駅舎に敬意を表したデザインになったことで、旧駅舎に愛着があった人もホッとしたことでしょう。
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