全国初!?駅名の由来が人名の駅!!

全国には人名が由来となった駅名はいくつかありますが、駅名にその人名が使われた最初の例といわれているのがこの方谷(ほうこく)駅です。

ー岡山県・JR伯備線ー(Okayama Pref・JR Hakubi Line)

方谷駅は、国道とは高梁川を挟んだ対岸にあり、駅前は袋小路のようになっているので駅前を通り過ぎる車もなく静かです。
開業は昭和3年10月。車寄せの柱に特徴がある駅舎は開業当時のものです。外観はもとより駅舎内の窓口や手荷物台も含めて建設当初の様相をよく残していることから「国土の歴史的景観に寄与している」として国の登録有形文化財に登録されているんですよ。

さて、山田方谷という人物ですが、江戸時代末期から明治時代初期の漢学者・備中松山藩士で、学者として藩に仕えながら藩政改革を行ない、大赤字だった財政を立て直し、さらに蓄財に成功したことがよく知られています。

また、備中鍬や柚餅子(ゆべし)などの特産品を開発し、民衆に仕事を与えて生活を豊かにし、晩年は藩校や私塾、閑谷学校などで多くの子弟を教え、多くの優秀な人材を輩出しています。
これほどの偉人であることから、駅ができる時に住民が「方谷」の名前をつけるよう請願したのもうなづけますね。

平成28年11月に、駅舎の新見方の小部屋に「方谷駅資料室」がオープンしました。内部には山田方谷に関するパネルやパンフレットが置いてあります。
資料室からは駅事務室にも入ることができ、そこには方谷駅の模型や開業当時の駅の写真が展示されていますので、こちらも必見ですよ。