平成28年10月、JR紀勢本線のある駅に驚くべき駅舎が誕生しました。
その名も、和佐(わさ)駅。
正面がこんなにまん丸な駅舎は今まで見たことがありません。実はこれ、大きな鉄パイプを輪切りにした駅舎なんです。
ー和歌山県・JR紀勢本線ー(Wakayama Pref・JR Kisei main Line)
和佐駅の開業は昭和5年12月。以来、ずっと開業時の駅舎が使われてきましたが、建設から80年以上が経ち老朽化が問題になっていました。
そこで、新駅舎を建設することになったのですが、既存駅舎を解体することなく工事を進めるため、駅舎横の幅数メートルのわずかなスペースに新駅舎を造ることになったのです。
そして、着工からわずか2カ月半で新駅舎が完成。
その引き換えに旧駅舎が解体されました。現駅舎のとなりの空きスペースは旧駅舎が建っていた跡です。
こうしてできた新駅舎は直径3.5メートルのコルゲートパイプ製。コルゲートパイプとは薄鋼板に波付けをしたもので、一般に排水管や砂・砕石の貯蔵タンクとして用いられます。軽量で強度が高く低コストというのが優れている点です。
駅舎には、イスが3脚と時刻表、ポスターの掲示設備があるだけで券売機もありません。
風通しが良いので夏は涼しいと思いますが、温暖な地域とはいえ締め切りができないので冬は寒そうです。利用客の評価が気になってしまいます。
それにしても、今までの「駅舎」という概念を打ち破るこの材質と形状、駅舎ファンの興味をそそりますね。
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