甲賀市郊外の静かな住宅地にあるホワイトとイエローのさわやかな色使いの駅舎、JR草津線の寺庄(てらしょう)駅です。
ー滋賀県・JR草津線ー(Shiga Pref ・JR Kusatsu Line)
開業は昭和34年12月と歴史は浅く、ホームは片面、開業以来、駅舎も小さく簡素なものでした。
そんな駅舎が現在のものに建て替えられたのは平成22年12月。一見、橋上駅舎のように見えますが、実際は地平駅舎なんです。駅の施設は必要最小限ですが、自由通路の地上部分にトイレ、バスの待合所、エレベーターがあるなど設備は整っています。
さて、この駅の特徴は、その立派な自由通路にあるんです。
自由通路を北西から見ると、角の部分が六角形になっていますね。
これは、甲賀市の指定文化財になっている六角堂をイメージしているんです。
六角堂は天明8(1788)年に大工の中村喜惣治の手により建立された地蔵堂(地蔵菩薩をまつった建物)です。
駅から約400メートルの「エッ!こんなところに?」と思うような変則的な十字路の傍に、住宅地の雰囲気に溶け込むように気取ることなく存在しています。お参りに来る地元の方の姿もちらほら見られます。
正面は南側。二重の屋根の頂上に宝珠を置き、軒の彫刻も見事で、瓦の先端に十二支が配されているという凝った造りで一見の価値ありです。
六角堂のある十字路には信号がありませんが、事故は起こったことがないそうです。
六角堂のお地蔵様に守られているのかも知れませんね。
関連記事
■何かを模して造られたその他の駅舎
関連サイトの最新記事