鳥取市のいちばん南にある駅で、千代(せんだい)川に沿った山間の集落にある駅、それが因幡社(いなばやしろ)駅です。
ー鳥取県・JR因美線ー(Tottori Pref・JR Imbi Line)
駅舎は大正12年6月開業時のもの。国道から奥まった場所にあり、背後の緑、駅前のミニ庭園とあいまって静かでたいへん雰囲気の良い駅です。
現在、ホームは片面ですが、廃止された対向ホームが残っています。普段は静かなのですが、時おり、特急列車の「はくと」「いなば」が轟音をたてて通過して行きます。
それにしても「因幡社」とは意味ありげな駅名ですね。
これは、駅の開業時にこの地が「八頭郡社村」だったことによります。では「社」とはなにを指すのかというと、南に700メートルほど行った山の中腹にある「犬山神社」のことだといわれているんですよ。
さて、この駅のおもしろいところ、それは駅舎が理容店になっているということです。
昭和45年に駅が無人化されることになったため、駅事務室を活用するため店舗の募集をしたところ、応募があったのが理容店だったというわけです。
理容店はその翌年の昭和46年から営業を開始。国鉄の駅舎で他業種が営業しているというのは当時としてはとても珍しく、変わった駅として全国に知られることとなりました。
以来、もう50年近く簡易委託として切符の販売もしながら理容店を営業しているんです。
ここで髪を切ってもらえば、思い出に残ること間違いなしですね。ただし、月曜日はお休みなのでご注意を。
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