昭和初期から変わらぬ駅舎は寅さんファンの聖地!

岡山県北の都市、津山駅からJR因美線の列車に乗り3駅、時間にして20分足らずで美作滝尾(みまさかたきお)駅に到着します。

ー岡山県・JR因美線ー(Okayama Pref・JR Imbi Line)

ホームに降りて列車が去ってしまうと、まず目に飛び込むのは見渡す限りの田園風景。なんとものどかです。
そして、改札をくぐるとそこには息を飲む空間が!

木のぬくもりにあふれた待合室は窓口も手荷物台も昭和初期の雰囲気。まるでタイムスリップしてしまったようです。
駅の開業は昭和3年3月。駅舎は開業時のものでアルミサッシすら使用されていない現代では貴重な純木造駅舎ということから、平成20年11月に「昭和初期の標準的な小規模駅舎」として登録有形文化財に指定されました。

そしてこの駅と切っても切れない関係なのが、映画「男はつらいよ」です。
平成7年10月にシリーズ第48作「寅次郎紅の花」のロケが行われ、映画の冒頭でこの駅が登場したんです。おかげで美作滝尾駅は全国的に知られるようになりました。

しかし、ロケの時点ですでに寅さんこと渥美清氏は病気に侵されており、翌年の平成8年8月に他界され「寅次郎紅の花」は「男はつらいよ」の最終作となってしまったのです。
駅前にはロケ記念の石碑が建ち、待合室にはロケ風景の写真が展示され、寅さんを偲ぶことができます。
駅舎ファンのみならず寅さんファンのためにも、いつまでもこの駅舎を大事にしていきたいですね。