岩手県の太平洋岸にある宮古市。その中心駅である宮古駅のひとつ西にある駅が千徳(せんとく)駅です。
ー岩手県・JR山田線ー(Iwate Pref・JR Yamada Line)
駅前に国道が通り、ドラックストアやパチンコ店があるなど、比較的にぎやかな場所にあります。駅裏にも住宅は多いですが、そちらに行くには200メートルほど離れた踏切まで迂回しなければなりません。列車本数が少ないため、住民はバス利用のほうが便利なようです。
さて、駅についてですが、開業は昭和9年11月。以来、開業時の木造駅舎が使用されてきました。
しかし、昭和57年の東北新幹線盛岡開業時に無人化されることになり、それを知った地元の有志により「千徳駅愛護会」が結成され、駅舎が「駅馬車」という喫茶店に改装されました。いつしかこの喫茶店が、入口がツタで覆われ、異様な雰囲気を漂わせていたことから、駅舎ファンの間で話題に上ることもありました。
そんな良くも悪くも面白みのあった駅舎でしたが、老朽化のため平成28年1月に解体されてしまいました。
そして、3月に新しい駅舎が完成したんです。当然のことながら、とてもコンパクトな駅舎なのですが、このデザイン、なにか気が付きませんか?
片流れの屋根に十字の柱、そう、漢字の「千」の字が表されているんです。「千徳」という駅名にひっかけたユニークなデザインですね。
丸い窓や駅舎内の青い柱など、小さいながらもインパクトがあるよう工夫されています。
時代の流れで昔ながらの駅舎が新しい小さなものになってしまうのは仕方がありませんが、どうせならこのような遊び心のあるデザインにしてもらえるとうれしいですね。
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