駅前にある立派な鳥居はいったい何のため?

愛媛県の新居浜駅と伊予西条駅という2つの都市の中間に中萩(なかはぎ)駅はあります。現在は新居浜市に属していますが、昭和30年までは中萩町でした。

ー愛媛県・JR予讃線ー(Ehime Pref ・JR Yosan Line)

開業は大正10年9月。民営化時にリニューアルされた木造駅舎が建っています。四角い駅前広場の真ん中に丸い花壇のある可愛らしい駅です。ホームからはのどかな田園風景が広がっています。
さて、駅前広場の先に目をやると、鳥居が建っているのが目に入ります。

神社の参道なのかと思って先に進んでみてもそれらしきものはなし。いったいこの鳥居はなぜ建っているのでしょう?
石造りの立派な鳥居を近くでよく見てみると、柱には建立時期を示す「昭和十年十一月吉日」の刻印、上部に掲げられている神額には「石鉄山」の文字が刻印されています。
「石鉄山」は「いしづちさん」と読みますが、四国最高峰の石鎚山のことではなく、その東方にある「笹ケ峰」のことです。
その笹ケ峰の麓にあるのが往生院正法寺。このお寺の山号が「石鉄山」なんです。

つまり、鳥居に刻まれている「石鉄山」は往生院正法寺のことだったんです。駅から約2キロも離れているので気付きにくいですね。
往生院正法寺は現在でも石鎚信仰が残る貴重なお寺で、7月には「笹ケ峰お山開き」が行われ、蔵王権現像を笹ケ峰の山頂まで担いで持っていくそうです。

実は中萩駅は、正法寺参詣の下車駅として設置されたそうです。かつては駅は参詣者や笹ケ峰へ登る石鎚山の信者でにぎわったそうですよ。