自然に囲まれた山奥の渓谷とそこ架かる鉄橋、美しい光景ですね。実はこの鉄橋が土佐北川(とさきたがわ)駅なんです。
鉄橋が駅? どうしてそんなことに? その経緯はこうです。
ー高知県・JR土讃本線ー(Kochi Pref.・JR Dosan Line)

駅の開業は昭和35年10月で、現在地よりやや高知寄りの地上にあり、列車の行き違いができない駅でした。
大杉−土佐北川間は昔から土砂崩落が多い区間で、たびたび不通になってしまうため、災害回避のために新しくトンネルを掘り、ルートを変更することになりました。ところがそれに伴い列車の行き違いを行っていた大王信号場も廃止されることに。そのため、ここ土佐北川駅に新たに交換設備を造る必要が出てきたのです。ところが、地上にそんなスペースはありません。そこで鉄橋の上に島式ホームの駅を造り、そこで列車交換をすることになったのです。
そして、昭和61年3月、大杉−土佐北川間が現在のルートになり、鉄橋の上にホームがあるという珍駅が誕生したのです。
駅の入口から橋の上のホームへの通路も川の上を通ります。待合室は橋の下にあるので昼でも暗く、そこで列車待ちをするのはちょっと……。やはりホームで美しい渓流を眺めながら列車を待ちたいですね。ただし、足の下は川なので、高所恐怖症の人はつらいかも。
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