北陸の小京都にふさわしい和風駅舎、実はコンクリート?

JR越美北線でいちばん大きな駅が越前大野(えちぜんおおの)駅です。全列車の半数以上がこの駅で折り返します。

ー福井県・JR越美北線ー(Fukui Pref・JR Etsumihoku Line)

駅のある大野市は「北陸の天空の城」と呼ばれる越前大野城の城下町として栄え、昔ながらの建物がならぶ石畳の商店街などがあることから「北陸の小京都」とも呼ばれています。
列車から降りて出口に向かうと改札の手前に小さな釣り鐘があります。これは「安全の鐘」といい、平成14年に設けられたもので列車の利用者の安全を願うものなんです。

そして、その鐘の隣には水が湧き出ています。大野の町はいたるところに湧水があることでも知られ、この駅の湧水も飲むことができるんですよ。
駅舎は昭和35年12月の開業時に造られた大きめのコンクリート造りです。

でもおかしいと思いませんか? コンクリート造りのはずの駅舎が、どうみても木造ですね。
実は、正面から見える木造部分は、コンクリート駅舎の前面に造られたアーケードなんです。城下町・越前大野の景観と調和させる目的で平成15年4月に造られたもので「やすらぎ空間」という愛称がつけられています。

よく見ると「やすらぎ空間」の屋根越しに、もともとのコンクリート駅舎の「越 前 大 野 駅」という文字が見えますよ。

列車本数は少ないですが、そのことがかえって観光にはちょうどいいかも知れません。駅で観光マップをもらって町の散策はいかがでしょうか。レンタサイクルもありますよ。