出雲大社の玄関口だった!?短い間に2度も名前が変わった駅

比較的最近に開業した新しい駅でありながら、いままでに2度も駅名が変わった駅、それが出雲神西(いずもじんざい)駅です。

ー島根県・JR山陰本線ー(Shimane Pref・JR San-in Main Line)

昭和57年7月に「神西」として開業。駅舎はなく、片面ホームだけの無人駅でした。

当時は大社線が出雲市駅から分岐して出雲大社の玄関口である「大社駅」とを結んでいました。しかし、利用客の減少により平成2年4月に廃止され、JRから「大社」の名が消えてしまったのです。
大事な観光資源である「大社」の名をJRになんとか残したいと思った出雲市は、平成5年3月18日に「神西駅」を改称して「出雲大社口駅」としたんです。

ところが、実際には出雲大社までは10キロ近くあるうえに、バスも走っていないしタクシーも常駐していません。出雲大社への入口の駅と勘違いして下車し、路頭に迷う観光客が出てきてしまったんです。
平成8年に出雲大社を模した待合室が建てられたものの、出雲大社へのアクセス整備が手付かずでは状況が変わるわけはありません。

当然、利用客からの苦情は絶えず、平成11年3月13日に再度の改称で「出雲神西駅」になったんです。


※駅名が変わっていることにご注目!

結局「出雲大社口駅」が存在したのは6年間という短い間でした。
現在の出雲神西駅は、そんな騒動があったことは忘れてしまったように田園地帯の中の静かな駅に戻っています。
駅名を変えるには数千万円の費用がかかるといいます。駅名改称は慎重に行わなければなりませんね。