焼失に負けず、中学校の生徒たちの協力で再建された駅舎

高知県の山間部の町、大豊町にある駅が大杉(おおすぎ)駅です。

ー高知県・JR土讃線ー(Kochi Pref・Dosan Line)

開業は昭和7年12月。地元産の杉を使用した駅舎がありましたが、平成16年1月に不審火により焼失してしまいました。

 


旧駅舎

ほどなく駅舎の再建プロジェクトが立ち上げられましたが、これに協力したのが大杉中学校の生徒たちだったんです。
駅舎のデザインの立案、内外装の手伝い、インテリアの作成などに関わり、平成17年3月の新駅舎の落成式の企画・実行なども生徒たちが協力したそうですよ。

こうして完成した新駅舎は「とまレール大杉」という愛称がつれられています。地元の杉材を使用して建築され、内部には売店があり、待合室にはマンガやが置かれ、地元の情報などが掲示されています。この駅舎は平成17年度の「第4回高知県木の文化賞」を受賞しているんですよ。

ホームには「日本一の大杉」「美空ひばりゆかりの地」と書かれた標柱があります。

「日本一の大杉」とは、南西へ1.5キロのところにある八坂神社の境内にある杉の巨木「杉の大杉」のことで「大杉」という駅名はここからつけられたそうです。樹齢は推定3000年以上といわれ、神社にある木としては日本最大とされ国の特別天然記念物に指定されています。幕末には山内容堂や坂本龍馬、第2次世界大戦後には美空ひばりなど多くの著名人が訪れています。
駅舎の再建に関わった大杉中学校は平成20年度を最後に統合により廃校となってしまいましたが、生徒の名前はホームに記されていますよ。