奥出雲の山間部、わずかな民家と田畑がある集落に亀嵩(かめだけ)駅はあります。
ー島根県・JR木次線ー(Shimane Pref・JR Kisuki Line)
「亀嵩」といえば、松本清張の小説「砂の器」の舞台として全国にその名を知られるようになりました。駅周辺はさびしい感じですが、亀嵩の中心部は北東に3キロほど行ったところで、そこには立派な道の駅や温泉ホテル、テレビのロケが行われたことを示す「砂の器記念碑」などがあり、観光客も訪れます。
さて亀嵩の駅舎ですが、昭和9年11月開業時のもの。待合室はあまり広くありませんが、出札窓口が昔の雰囲気を保っていていい感じです。
そしてその待合室には、駅のそば屋「扇屋」の入口があります。
そう、亀嵩駅では、駅舎内でそば屋が営業していることで鉄道ファンによく知られているんです。昭和46年に駅が無人化されたときに委託を引き受けた店主が、駅の活性化のために駅舎内を改装し、昭和48年1月にそば屋を開店したというわけです。石臼で挽いた国産のそば粉を、奥出雲の天然水を使って手打ちされた太めで色の黒いそばは、香りが良くておいしいと遠方からわざわざマイカーで食べに来る人もいるほど。
列車本数は少ないですが、下車できなくても事前に予約を入れれば列車到着時にホームまでそばを届けてくれます。これはうれしいサービスですね。
持ち帰り用のそばも用意されていますので、木次線に乗ったときには、ぜひどうぞ。
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