舟下りや温泉で有名な天竜峡。その北側にある駅が川路(かわじ)駅です。
ー長野県・JR飯田線ー(Nagano Pref・JR Iida Line)
開業は昭和2年12月と歴史のある駅ですが、シルバーのメタリックな外観、駅前もきれいに整備され、まるで最近敷かれた新線に開業した駅のようです。
かつて駅のある一帯は、日本三大桑園と呼ばれるほどの桑畑でした。開業時から使用されている古い駅舎があり、駅前には商店や民家もありました。
旧駅舎
しかし、天竜川のそばにあることが災いし、たびたび水害の被害を受けていたんです。なかでも昭和36年6月に、台風に梅雨前線が刺激されて発生した豪雨災害は、川路駅を含む周辺一帯が水没するほど大きな被害が出てしまいました。そのことがあってこの地区は「災害危険区域」に指定され、周辺にあった民家などは高台等へ移転したため、駅の周りには何もなくなってしまったんです。昭和46年12月に駅は無人化され、昭和58年9月にはまたも豪雨により駅舎が水没し、以降の駅舎は窓が取り外されるなど無惨な状態になっていました。
こうたびたび水害が起きるのを放っておくわけがありません。治水対策事業により護岸整備や土地のかさ上げが行われ、飯田線も線路の付け替えが行われて、平成13年4月に川路駅も現在の場所に移転したんです。
駅やその周辺が新しく見えるのはそういう経緯があったからなんですね。
さて、現在の駅舎ですが、かつてこのあたりが養蚕のための桑畑だったことから、蚕の繭をイメージしているそうですよ。
なにもなかった駅前にも徐々に建物が増えてきています。もう災害が起こることなく発展して行くといいですね。
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