神社の回廊のような屋根付き階段をぜひ体験してみよう!

秋田音頭で♪秋田名物、八森ハタハタ……と歌われた旧八森町の中心部にある駅が、八森(はちもり)駅です。八森町は、平成18年3月に峰浜村と合併し現在は八峰町になっています。

ー秋田県・JR五能線ー(Akita Pref・JR Gono Line)

ハタハタの漁獲量は最盛期に比べると減りましたが、現在でも町の主要な産業になっています。
駅舎は、昭和60年に改築された地元商工会との合築駅舎で、秋田杉で造られているんです。駅舎の大部分は商工会が使用し、駅の施設は左端の一部のみです。いまは無人化されていますが、そこには待合室があり数々の地元の特産品が展示されています。きっぷうりばの跡も残っていますよ。

さて、列車に乗ろうと駅に入っても、そこにはホームはありません。屋根で覆われた上り階段があるだけです。

壁や柱に使われている木材や、階段の石積みもいかにも年季が入っていそうです。おそるおそるその階段に足を踏み入れると、前方に長々と上りが続き、まるで古い神社の回廊のようです。

その階段を上りきり、外に出たところでようやくホームにたどり着くんです。そのホームからは町や港を見下ろすことができますよ。

ホームの海側に広がる空き地には、かつて貨物線が何本も敷かれていました。昭和58年まで、南方にある発盛精錬所とを結ぶ専用線があったんです。鉄道ファンにはこれも興味を惹かれます。

古い階段通路や廃線跡、いつまでも残ってほしいですね。