和歌山県の県庁所在地であるJR和歌山駅のひとつ北にある駅が、紀伊中ノ島(きいなかのしま)駅です。周辺は和歌山市街の住宅密集地です。
ー和歌山県・JR阪和線ー(Wakayama Pref・JR Hanwa Line)
昭和7年1月に阪和電気鉄道(現在のJR阪和線)の「中之島駅」として開業。現在の駅舎は、昭和10年1月に国鉄和歌山線が阪和電気鉄道との交差部に「紀伊中ノ島駅」を開業したときに建てられたもので、同時に阪和電気鉄道の駅も約100メートル南に移転し、国鉄との乗り換え駅になりました。こうして、紀伊中ノ島は阪和電気鉄道と国鉄とが立体交差する駅になったのですが、国鉄和歌山線は昭和49年9月にルートが変更されてこの駅を通らなくなったため、現在はJR阪和線単独の駅になっています。
駅舎のデザインは、入口の屋根を高くしてガラス張りにし、それを斜めの格子で覆うという秀逸なもの。これが戦前に建てられたとはオドロキです。当時はさぞモダンな建築だと思われたことでしょう。
さて、もちろんそういう駅舎も魅力ではあるのですが、この駅の本当のおもしろさはほかにあるんです。駅の改札をくぐったところ、線路はありませんが、なんだかホームのように見えませんか?
それもそのはず、これこそが廃止された旧和歌山線のホームなんです。昭和49年に廃止されてから50年近く経つにもかかわらず、これだけはっきりと当時のホームが残っているというのはまるで奇跡です。
紀伊中ノ島駅では駅舎ばかりに目がいきがちですが、この廃ホームにも注目してみてください。
関連記事
■廃ホーム・廃レールが見られるのその他の駅
関連サイトの最新記事