これが駅の入口!? いったいホームはどこ?

北海道の道東を代表する釧路駅。そのとなりの駅が新富士(しんふじ)駅です。東海道新幹線にも同じ名前の駅がありますが、この北海道の新富士駅のほうが大正12年12月開業と大先輩です。

ー北海道・JR根室本線ー(Hokkaido・JR Nemuro Main Line)

さてこの駅、入口がいきなり階段になっています。

ホームはどこ? と思いながら階段を上り、60メートルほど進んでやっとホームに立つことができるんです。なぜこんな普通の駅の概念をくつがえすような造りになっているんでしょうか?

この駅は、紙の原料や製品を輸送するために富士製紙(現・日本製紙釧路工場)が費用を全額負担して開業した駅なんです。駅名は「富士製紙」から採られたのですが、すでに東海道本線に富士駅があったため「新」を付けて「新富士」という駅名になりました。
このように、貨物主体の駅として開業したわけですが、旅客も扱っていたため他の駅と同じように駅舎も建っていたんです。
しかし、平成元年8月に貨物専用の「新富士駅」が開業し、すでに無人化されていたそれまでの駅舎のあった場所に貨物駅の駅舎が置かれたため、貨物ヤードを避けた現在の場所に旅客用の入口が設けられたというわけです。
その貨物駅の「新富士駅」は、平成23年3月に「釧路貨物駅」に改称して現在に至っています。


釧路貨物駅

釧路貨物駅の構内にある旅客ホームからは、たくさんのコンテナとそれをせっせと動かす数台のフォークリフトが働く姿が観察できます。貨物鉄道ファンにはたまらない駅ですね。