蒲生氏の城下町として栄え、近江日野商人発祥の地である蒲生郡日野町にある駅、それが日野(ひの)駅です。
ー滋賀県・近江鉄道ー(Shiga Pref・Ohmi Railway)
駅裏にあたる西側は広大な田園風景のひろがるのどかな風景ですが、東側は住宅地で、約2.5キロ離れた役場のある町の中心部には飲食店なども多くあります。
駅の開業は明治33年10月、駅舎は大正5年改築という古いもので、平成28年にめでたく築100年を迎えました。このようにたいへん貴重な駅舎なのですが、やはり老朽化には逆らえず痛みが激しくなっていたことから、駅舎を取り壊す計画が発表されたのです。
改修前の駅舎
それを耳にした地元住民は、駅舎は町の宝であるとして反対運動を起こし、日野町も駅舎を保存するため住民と一体となって、平成28年11月に「近江鉄道日野駅再生プロジェクト」を開始したんです。
町は約5千万円の予算を計上、さらにふるさと納税やクラウドファンディングにより資金を集め、合計で7300万円の改修費を捻出。その費用を用い、耐震補強に加え、タクシー乗務員の休憩所として使われていた事務所部分をカフェ併設の観光案内所に改修する工事が行われました。
そして、平成29年8月に一部が供用開始、10月にカフェ併設の観光交流施設「なないろ」がオープンしたのです。
駅前のポストもレトロな丸型に置き換えられました。今後もさらに駅を活性化するための取り組みを行っていくとのことです。
まるで新築のように蘇った駅舎、これからも大事に使っていきたいですね。
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