このレンガ造りの重厚な駅舎、どこかで見た覚えがありませんか? そう、東京駅の丸の内口駅舎です……というのは冗談で、実はこれ、埼玉県の深谷(ふかや)駅の駅舎なんです。
いったいなぜここに東京駅にそっくりの駅舎が出現したのでしょうか。
実は、東京駅と深谷には深い関わりがあったのです。
ー埼玉県・JR高崎線ー(Saitama Pref.・JR Takasaki Line)
明治時代、深谷出身の実業家・渋沢栄一は、これからの近代的な都市造りには、建築資材としてレンガが必要と考えました。そこで大量のレンガを生産するために深谷にレンガ工場を設立しました。
そして、そのレンガを使用して大正3年に完成したのが東京駅丸の内口駅舎というわけです。
そういう関わりがあったことから、深谷市が市政40周年を迎えた平成8年7月に東京駅を模して改築したのがこの駅舎なんです。どおりでそっくりなわけですね。
この深谷駅、側面や内部の結構細かいところも造り込まれ、本家にも劣らない重厚感に仕上がっています。ただし、橋上駅舎ということから重量をあまり重くできないので、使われているのは本物のレンガではなく、レンガ風のタイルだそうです。
それでも、見るものを魅了するこの駅舎、近年改築された駅舎の中でもかなりの傑作ですね。
関連記事
■どこかに似ている?!その他の駅
関連サイトの最新記事