北海道の橋上駅舎第1号、それがこの北吉原(きたよしはら)駅です。
橋上駅舎といえば、周辺に住宅が密集していることを想像してしまいますが、この駅の周辺はそれほど住宅が多いわけでもなく、おまけに北側は大きな工場の敷地。どうしてこんな場所に橋上駅舎が必要だったのでしょうか?
ー北海道・JR室蘭本線ー(Hokkaido Pref.・JR Muroran Main Line)
駅の北側の工場は「日本製紙白老工場」で、白老町が誘致して昭和35年に全面操業を開始しました。「日本製紙」は当時「大昭和製紙」といいましたが、その大昭和製紙が社員の通勤のために建設費を全額負担して昭和40年11月に開業したのがこの北吉原駅なんです。
大昭和製紙の本社が静岡県吉原市(現・富士市)にあったため、駅名もこれにちなんでつけられました。北にある吉原だから「北吉原」というわけですね。
当時は全国的にまだ珍しかった橋上駅舎を建設したことからも会社の意気込みが伝わってきます。
さて、肝心の駅舎はといえば、昭和40年の建築とは思えないほど奇抜なデザインで、コンパクトながらも機能的。昭和63年3月までは社員の通勤のために急行列車も停車していたのですが、マイカー通勤が主流になって利用客が減り、駅は無人化されてしまいました。
駅舎の必要性は無くなってしまいましたが、橋上にあるきっぷ売場、待合室は残っていて、かつてのにぎわいを想像させてくれます。
ところで、この駅舎、正面から見ると「象」の顔に見えませんか? その姿がカワイイことでも人気があるんですよ。
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