赤い屋根に白い壁、この洋風木造の浜寺公園(はまでらこうえん)の駅舎は明治40年の建築。なんと私鉄では最も古い駅舎なんです。
設計は、東京駅丸の内口駅舎と同じ辰野金吾。東京駅が大正3年建築ですから、浜寺公園駅は先輩にあたるわけですね。
ー大阪府・南海電鉄ー(Osaka Pref.・Nankai Electric Railway)
柱の骨組みをデザインとして壁の表面に出したハーフティンバーや、屋根にドーマ窓を施すなど、その美しい造形から国の登録有形文化財に指定されています。
ところで、なぜこんな都市の中心部でもないところに、これほど立派な駅舎が建てられたのでしょうか?
駅からわずか150メートルのところに駅名の由来となった「浜寺公園」があるのですが、なんとこれが明治6年に日本で初めて公園に指定された「日本最古の公園」なんです。当時の大阪市民のレジャーの玄関口として立派な駅舎を造ったわけですね。
ところが、そんな歴史のある駅にもついに時代の波が押し寄せます。線路を高架化することになり、工事の支障となってしまう駅舎は、平成28年1月27日限りで役目を終えたのです。
でも安心してください。工事期間は曳家により工事に支障のない場所に駅舎を移動し、高架の完成する平成40年ごろに新駅の玄関として使用される予定になっています。駅舎が復活する時が待ち遠しいですね。
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