駅舎はどこ?無人駅ですが最先端技術に貢献してます!

東都農(ひがしつの)駅は無人駅。駅舎もなく、だだっ広い駅前広場には平成25年に都農町が建設したトイレがあるだけ。

ー宮崎県・JR日豊本線ー(Miyazaki Pref.・JR Nippou Main Line)

このように今はなにもない駅ですが、かつては現在の鉄道技術に貢献した重要な施設があったのです。
駅のホームからやや離れたところに見える高架線がそれ。日豊本線に並行して約7キロの長さがあり、全線にわたりほぼ直線、勾配もわずかにあるだけのこれは、リニアモーターカーの実験線跡なんです。

1791東都農

この実験線は、昭和54年8月に完成。にわかにリニアブームが起こり、東都農駅には「リニア資料館」が建てられました。屋上の展望台からは実験線を走行するリニアモーターカーが見学でき、全国からの見学者でにぎわったのです。この実験線で、昭和54年12月に無人走行で時速517キロを達成、平成7年1月に有人走行で時速411キロを達成しました。

しかし、7キロという距離は高速走行の実験には短かったため、平成8年に宮崎での走行実験を終了し、山梨県の実験施設に引き継がれました。
そして、訪れる人がいなくなった「リニア資料館」は、平成18年ごろに解体されてしまいました。

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さてそれでは、この実験線は無用の長物になってしまったのでしょうか?
いえいえ、平成23年2月に軌道上に太陽電池パネルを並べて太陽光発電所として、また、平成26年3月には太陽熱によるマグネシウム還元実験施設として有効利用されているのでご心配なく。